2007 Fiscal Year Annual Research Report
片方向リンクを考慮した統合型経路制御機構に関する研究
Project/Area Number |
18700053
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤枝 俊輔 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (90420231)
|
Keywords | インターネットルーティング / Uni-Directional-Link / マルチキャスト / MT-OSPF / バックチャネル / 衛星通信回線 / 地上波 |
Research Abstract |
本研究の目的は,衛生通信回線や地上波などの片方向回線(Uni-Directional-Link, UDL)を,インターネットにおいて既存の双方向回線(Bi-DirectionaI-Link, BDL)と同様にルーティング可能にすることである.その実現には,(1)UDLをBDLにエミュレーションする機構,(2)UDLに対応したルーティングプロトコル,(3)1と2が動作するために必要なUDLのバックチャネル,といった3つの要素技術が必要である.(2)に関して,UDLを含むネットワークではマルチキャストルーティングを行うPIM-SMが最適な配送木を構築できない問題がある.PIM-SMが利用するマルチキャスト経路(Multicast Routing Information Base, MRIB)は,現在ユニキャスト経路から生成するのが一般的あるが,この手法はあるリンクをユニキャストの「送信」とマルチキャストの「受信」の両方に利用することを前提としている.しかし,UDLはユニキャスト・マルチキャスト共に「送信のみ」または「受信のみ」に利用することが要求される.この問題を解決するため,本研究では,MT-OSPF (Multi-topology routing in OSPF)を利用してUDLに最適なマルチキャスト経路を構築する経路制御手法を提案し,その規模性を評価した.また,(3)に関してUDLのバックチャネルをインターネット経路によって提供するルーティングプロトコルを考案した.本プロトコルはバックチャネルの発見と維持に特化されており,従来のプロトコルが対応できないトポロジを利用可能にする.安定したバックチャネルの提供によって,他の要素技術である(1)や(2)が多くのトポロジで利用可能になる. UDL技術には,既存のインターネットの弱点であった「通信回線を提供できる範囲でしか恩恵を享受できない問題」を解決する重要性がある.発展途上国,山間,島,移動体など幅広い通信環境を向上させる.また,多数の受信者へ大量のデータを同時配信する手段としても有効であり,幅広い利用用途がある.これらの実現に向けて,通信基盤となるルーティング技術の整備は極めて重要である.
|
Research Products
(1 results)