Research Abstract |
本年度は,P2P型計算グリッドに適した集合通信操作のためのアルゴリズムを開発するために,以下のアプローチで研究を行った. 1.異種混合性を考慮したスケジューリングアルゴリズムの提案:P2P型計算グリッドでは,それを構成するプロセッサ・ネットワークの能力が異なるため,プロセッサ・ネットワークの異種混合性を考慮したアルゴリズムが必要である.本研究では,独立タスクアプリケーションに対して,異種混合性を考慮したスケジューリングアルゴリズムを提案した.さらに,そのアルゴリズムを応用することで,効率的な集合通信操作を実現できることも示した. 2.自己適応能力を有したアルゴリズムの提案:P2P型計算グリッドでは,計算に参加するプロセッサの状態が時々刻々と変化するため,計算環境に自動的に追従する自己適応能力を有したアルゴリズムが必要である.本研究では,モバイルエージェント数の制御,資源の探索問題など,P2P型計算グリッドに応用可能なさまざまな問題に対して,自己適応能力を有したアルゴリズムを提案した.また,P2P型計算グリッドでは,一部のプロセッサが故障を起こした場合でも,全体では正しく計算を終了する必要がある.そのため,故障に対する適応性(故障耐性)は特に重要である.本研究では,さまざまな問題に対して,故障耐性を付加したアルゴリズムを提案した.さらに,故障耐性を有するアルゴリズムの設計手法を提案した.
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