2008 Fiscal Year Annual Research Report
P2P型計算グリッドに適した集合通信操作のためのアルゴリズムに関する研究
Project/Area Number |
18700059
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大下 福仁 Osaka University, 情報科学研究科, 助教 (20362650)
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Keywords | 計算グリッド / 集合通信操作 / 適応性 / アルゴリズム / P2Pネットワーク / センサネットワーク / 多組織グリッド |
Research Abstract |
本研究では、P2P型計算グリッドにおいて効率的な並列計算を実現するために、効率的な集合通信の開発を目指している。P2P型計算グリッドでは、並列計算に参加する計算機、ネットワークの状態が時々刻々と変化するため、計算環境に自動的に追従する自己適応能力を有したアルゴリズムが必要である。本年度は、さまざまな問題に対する自己適応能力を有するアルゴリズムの提案を目標とし、以下の研究を行った。 1. 効率的な集合通信を実現するために、動的な計算ネットワークにおいて効率的なバックボーンを構築するアルゴリズムについて考察を行った。その結果、自己適応能力を有し、かつ、安定したバックボーンを構築するアルゴリズムを提案した。また、対象をセンサネットワークに限定した場合に対して、バックボーンの構築に必要なノード数の下限を与えた。 2. 高い自己適応能力をもつアルゴリズムの設計を容易化するために、複数の故障封じ込めアルゴリズムをその特性を維持しながら合成する手法を提案した。また、ネットワークに動的変化が発生しても、アルゴリズムの出力変化を少なく抑える手法を提案した。 また、複数の組織が共有する計算グリッドに対する考察も行った。多くの場合、複数の組織が計算資源、ネットワーク資源を提供して、一つの計算グリッドを構成する。そのため、組織に不利益を与えると、その組織が資源の提供を中止する可能性がある。本研究では、各組織に不利益を与えることなく、効率的に計算資源を共有・利用するアルゴリズムを提案した。
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Research Products
(16 results)