2006 Fiscal Year Annual Research Report
センサネットワークにおける複数センサの協調によるターゲット捕捉手法に関する研究
Project/Area Number |
18700066
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
田村 瞳 九州工業大学, 情報工学部, 産学官連携研究員 (30423601)
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Keywords | 情報通信システム / ユビキタス / センサネットワーク / ターゲット捕捉 |
Research Abstract |
ユビキタス社会の実現に向けて必要不可欠な技術であるセンサネットワークでは,網を構成する各センサは小型かつ低コストであるため,センシング能力・通信能力などの機能が大きく制限される.よって,個々のセンサが取得・提供可能な情報はシステムやアプリケーションにとって不十分である恐れがある.そこで,1個の監視対象オブジェクト(ターゲット)を複数のセンサで同時に捕捉し,取得した情報を統合することでターゲットの存在位置や進行方向などの詳細な情報を解析・取得するセンサフュージョン技術に関する研究が行われている.ここで,このセンサフュージョン技術の達成のためには,1個のターゲットをシステムやアプリケーションより指定された数の捕捉センサで確実に捕捉するための手法が必要であり,今年度は指定数の複数センサを利用したターゲット捕捉アルゴリズムの提案,評価,改良を行った.具体的には,まず複数のセンサで同時にターゲットを監視するための手法(基本手法)を提案し,ターゲットを指定数で捕捉可能な確率を示し,さらに個々のセンサの電力消費量や通信オーバヘッドについて明らかにした.この評価を通して,ターゲットの移動速度に応じた捕捉性能の急激な劣化やメッセージの衝突,さらに電力消費量に関する問題点が明らかになったため,ターゲットの移動に応じて監視センサを順に引き継ぎつつ変更するような新たな捕捉センサ決定手法(改善手法)を提案した.シミュレーション評価より,改善手法では高速で移動するターゲットに対しても低い通信オーバヘッドで捕捉センサを迅速に決定可能であり,極めて高い捕捉確率を達成できることを示した.さらに,改善手法は,どのようなセンサ配置環境下においても,高い性能を維持でき,最悪時においても50%の確率でターゲットを捕捉できることを明らかにした.
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Research Products
(1 results)