2006 Fiscal Year Annual Research Report
異種性を考慮した大規模アドホックネットワーク向け自律分散クラスタリング技術
Project/Area Number |
18700070
|
Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
大田 知行 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (90347617)
|
Keywords | アドホックネットワーク / クラスタリング / 異種性 / 自律分散システム |
Research Abstract |
アドホックネットワークは,ノードを集中管理する端末が存在しないため,ネットワークが大規模になるにつれてネットワーク中のノード管理が困難になる.そのため,これまでに大規模アドホックネットワークの管理効率を向上させる手法として,自律分散クラスタリング手法を提案してきた.実際のアドホックネットワークではノードの送信電力や送受信装置のハードウェアの違い,パケットの衝突や雑音等による片方のノードからしか電波を届けることができない非対称リンクが存在する.現在提案されているルーティングプロトコルの多くは,ノード間リンクが対称であることを想定されて設計されている.自律分散クラスタリングにおいても,非対称リンクが発生する環境(以降,非対称環境)においてはクラスタリングは正常に動作しない可能性がある.現在までに,異なる通信範囲を持つノードが存在する非対称環境においても正常にクラスタリングを行うHクラスタリング手法を提案してきた.Hクラスタリング手法では,クラスタリングの制御パケットに,隣接ノードとのリンク状態を検知する機能を付加する.これにより,各ノードは形成するツリーに対称リンクのみを選択することで,非対称リンクによるパケットの損失を防いでいる.さらに,パケット転送にマルチパス転送を用いるMHクラスタリング手法を提案した.Hクラスタリングでは,クラスタ内のパケット転送を形成したツリーのみを利用して行っていたが,MHクラスタリングでは,パケット転送に非対称リンクを利用したマルチパス転送を加えることによってパケット到達数の向上を図った.さらに,シミュレーション実験により,Hクラスタリングは非対称環境において従来のクラスタリングのパケット到達数を上回ることを確認した.また,MHクラスタリングは,Hクラスタリングと比較してノードの移動に対して適応性を持つことを示した.
|
Research Products
(6 results)