2008 Fiscal Year Annual Research Report
次世代マルチホップネットワークを実現するためのパケット送信制御プロトコルの開発
Project/Area Number |
18700075
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
重安 哲也 Hiroshima International University, 工学部, 助教 (90352046)
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Keywords | 無線LAN / 送信機会の不公平問題 / 適応バースト送信制御 |
Research Abstract |
広く普及する無線LANの標準規格であるIEEE802. 11DCFではパケット衝突を効果的に低減するために, バックオフアルゴリズムにBEB(Binary Exponential Back-off)方式を採用している. BEB方式は, 簡単な制御効果的にパケット衝突を低減できるが, 高トラフィック環境下では端末間で送信機会の不公平を生じてしまう. そのため, この問題の解決を目的とした様々な方式が提案されている. しかしながら, それらの方式はBEB方式に比べて公平性を向上させるトレードオフとしてスループットを低下させるという新たな問題を生じる. また, これに加えてこれらの方式は, ネットワーク中の全端末が同一の方式を採用するという前提で構成されるため, 異なる方式を採る端末が混在するネットワーク環境下においてその効果は期待できない. そこで, 本年度の研究課題では送信機会の不公平状態にある端末が自端末の状態に応じて適応的にパケットをバースト送信することで, スループットを低下させずに送信機会の公平性を向上できるWLPB(Weighted Limited Packet-Burst)方式を提案した. また, 提案方式の有効性を評価した計算機シミュレーション結果から, 既に一般に広く普及しているIEEE802. 11DCF端末が混在する環境下においても, WLPB方式を用いることにより公平度が向上することを明らかにした.
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