2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18700080
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井手 一郎 名古屋大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (10332157)
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Keywords | ディレクトリ・情報検索 / コンテンツ・アーカイブ / メディア生成 |
Research Abstract |
放送映像は膨大な量の資料映像等を人手で編集したものだが、大規模に蓄積されたアーカイブは、逆に膨大な量の素材映像の断片の集合ともみなせる。このような考え方に基づき、本研究では、大量に蓄積された放送映像を意味的な単位に分割することで素材映像断片を作成し、その後改めて利用者の意図に合わせた映像を動的に再編集する手法を確立することを目指す。 素材としてまずは毎日放送される特定のニュース番組の映像を用い、これに対してトピック単位への分割を施す。次に、既に申請者の先行研究により基本アルゴリズムは実現されている、トピック間の意味的関連と時系列的な前後関係を考慮した「スレッド構造」なる順序グラフ構造を構築する。 本年度はまず、このような意味構造を高速に解析するためのアルゴリズムの分析と改良を行った。さらに、スレッド構造構築において、同一の映像を含むという画像情報も併用する手法を開発し、効果を分析した。 次に、スレッド構造中の特定のスレッド経路上のトピックの要約映像を自動生成する手法を実現するために必要な、当該スレッドを特徴づけるような画像の選定手法として、映像中の登場人物が肉声で発話しているモノローグシーンの検出技術や、同一人物の名寄せ(顔寄せ)の技術を開発した。 さらに、意味構造に基づくニュース映像閲覧インタフェース上で、製作者が要約映像を編集・製作する際に必要な機能を検討した。また、そのために必要となるスレッド構造中の類似ストーリのまとまり(トピッククラスタ)を構築する手法を開発することで、映像製作者が意味的なまとまりを考慮して効率的に要約映像を製作するための情報を視覚的に提供することを実現した。
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