2006 Fiscal Year Annual Research Report
組込みシステム向け立体音響処理に関する研究とその実装
Project/Area Number |
18700088
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩永 信之 大阪大学, 言語文化研究科, 助手 (00402991)
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Keywords | アルゴリズム / 立体音響 / 組込みシステム / 頭部伝達関数 / 頭部近傍 / 多音源 |
Research Abstract |
組込み向け立体音像定位システムの実現に向けて残された課題として、以下の研究に取り組んだ。 ◆頭部近傍における立体音像定位の向上 ◆多数の音源に対する立体音像定位の実現 ◆頭部伝達関数の補正による立体音像移動の移動感向上 既存の立体音像定位手法では、距離の違いを全体の音量差のみで表現しており、頭部近傍で鳴る小さな音と、遠くで鳴る大きな音の区別がつかない問題があった。そこで、遠距離および頭部近傍における音像定位の違いについての考察から、頭部近傍における立体音像定位手法を実現する手法を提案した。頭部近傍では、頭部の存在による影響が無視できなくなるため、本手法では、この影響を再現することによって頭部近傍での立体音像定位を実現する。 また、既存の立体音像定位手法では、多数の音源に対応する場合、音源の数に比例した演算量あるいは演算器を必要とするため、計算資源の制約から再現できる音像の数には限界が生じる。そこで本研究では,C-meansファジィクラスタリング法を用いて、限られた計算資源を用いて多音源に対応した立体音像定位処理を行なう手法を提案した。本手法では、各音源に対してファジィクラスタリングを行い、帰属度に応じて音声信号をミキシングした上で、それぞれのクラスタ重心位置に音像を定位させる。 さらに、頭部伝達関数に補正を加え、周波数特性の変化を強調して再現することで、移動感を向上させる手法を提案した。頭部伝達関数の解析および音像の移動感に関する主観評価の結果、耳の真横付近において、水平角の移動に対して頭部伝達関数の変化が乏しく、このことに起因する音像の移動感の低下が見られた。そこで、本手法では、耳の真横付近における頭部伝達関数の変化が顕著になるように、耳に手を当てているような強調効果を付加した頭部伝達関数の再現を行うことで移動感の向上を図る。
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Research Products
(2 results)