2006 Fiscal Year Annual Research Report
センサデータ集約サイトにおける高機能・高性能・高信頼なDBMSの設計原理確立
Project/Area Number |
18700096
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川島 英之 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 講師 (90407148)
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Keywords | センサネットワーク / DBMSカーネル / ユビキタス技術 / Write Ahead Logging / 信号処理技術 / ロボット / 可視化 / 実世界検索 |
Research Abstract |
本研究の目標はセンサデータ集約サイトにおける高機能・高性能・高信頼なDBMSの設計原理確立だった。同目標を達成するために、新しいDMBSカーネル設計・実装に関する研究と、DBMSを実際に使用するセンサネットワーク用アプリケーションについての研究を推進した。高機能化については、多様な関数を実現するアーキテクチャを導入することで従来は関係演算を基本としたDBMSに信号解析関数を導入する仕組みを実現した。 DBMSカーネルの研究実績について述べる。高性能化については、データを高速に挿入する技法としてリモートWALをまず実現し、その改善版としてUPS-WALを実現し、更にその改善版として、最大で従来の186倍の性能向を示す非同期的更新法を実現した。高信頼性に関しては、無停電電源装置を装着したメモリを永続的記憶装置と見做す考え方を導入すると共に、チェックポインティングによりデータ永続性を強化する仕組みを実現した。これらの成果は2件の国際会議で発表した。 また、単に研究を推進したのみならず、プロトタイプDBMSとして実現し、オープンソースにて公開を行った。それに加えて、UPS-WALの仕組みをPostgreSQLに適用し、最大で44倍の高速化を達成し、これをオープンソースとして公開した。 センサネットワーク用アプリケーションについて述べる。ロボット用センサデータ可視化システムRSV、実世界オブジェクト検索システムMeTおよびBrownie、ロボット動作変換システムの開発を行い、これらを2件の論文誌、5件の国際会議、1件の国内会議で発表した。 更に、CPUキャッシュを考慮してDBMSカーネルの性能を高める技術を考案し、オープンソースのDBMSであるPostgreSQLの性能を最大で30%向上させる成果を得た。この成果は1件の国内会議で発表した。
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