2007 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタスシステムのための目的と役割の概念を用いた同時実行制御方式の研究
Project/Area Number |
18700100
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
榎戸 智也 Rissho University, 経営学部, 准教授 (10360158)
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Keywords | 分散オブジェクトシステム / データベースシステム / 同時実行制御 / アクセス制御 / ロールベースアクセス制御 / 役割 / 目的 / トランザクション |
Research Abstract |
本研究は,トランザクションの目的と利用者の役割の重要度を明確に定義し,複数のトランザクションをその目的と利用者の役割の重要度を基に直列化して実行する新たな同時実行制御を提案することを目的としている.平成18年度は,複数のトランザクションをその目的と利用者の役割の重要度を基に直列化して実行するスケジューラの実装およびアルゴリズムの検証を行った.平成19年度は,平成18年度に実装およびアルゴリズム検証を終えたスケジューラを従来システムで多く使用されている2相ロック方式と比較することで,性能および有用性の評価を行った.初めに,実装したスケジューラにおけるトランザクションの優先度別実行待ち時間を2相ロック方式と比較した.評価の結果,提案方式では,目的および利用者に付与された役割の重要度が高いトランザクションが優先して実行されており,優先度の高いものほど,各オブジェクト上において短い待ち時間で実行されていることが確認できた.一方,2相ロック方式では,トランザクションの優先度に関わらず,全てのトランザクションが平均待ち時間の前後で実行されることが確認できた.また,システムのスループットを評価した結果,提案手法が2相ロック方式に比べて,スループットが高いことが確認できた.以上のことから,グループウェア等の現実世界での仕事の目的と実施者の役割を反映した情報システムの構築のために提案手法が有効であるといえる.
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