2006 Fiscal Year Annual Research Report
個人適応型バーチャルポータルサイト実現のためのユーザ利用特性抽出技術に関する研究
Project/Area Number |
18700110
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
河合 由起子 京都産業大学, 理学部, 講師 (90399543)
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Keywords | パーソナライゼーション / 情報統合 / 情報推薦 / Webマイニング / 印象ベクトル |
Research Abstract |
本研究の目的は、収集した膨大な情報の柔軟な分類および分類・統合した情報の効果的な提供方法の確立である。本提案手法では、記事の特性のみならず、ユーザのもつ複数の利用特性を検討することで、ユーザの特徴に基づいた柔軟なカテゴリの生成と分類、およびユーザの使い易いインタフェースの提供を実現し、さらに、個人の利用特性に適応した仮想的なニュースのポータルサイトの構築を目指している。 本年度は、ユーザの閲覧履歴を基に、ユーザの記事に対する興味を抽出するとともに、記事に対する印象ベクトルの抽出を行った。 1.興味語抽出の改善 これまでの興味語の抽出では、閲覧回数の増加に伴い興味語の数が増加してしまうという問題点があった。その主な原因として、同一記事に対して多数の興味語が抽出されることと、各興味語の関係性を考慮していなかったことが挙げられる。そこで、記事ごとに抽出される複数の興味語の関係性を明らかにし、階層構造化することで、閲覧回数の増加に伴う興味語の増加を抑えつつユーザの興味を包含できる興味語の抽出を行った。 2.ユーザの印象ベクトル抽出 印象ベクトルの抽出では、記事の印象を学習により自動作成した印象辞書を用いて複数の印象尺度に対する評価値として算出し、各印象尺度値を印象ベクトルとして生成した。印象辞書は、市販の全文記事データベースを用いた。印象尺度は、Plutchikの提案する8個の基本感情を基に分類した。また、生成された記事ごとの印象ベクトルを利用して、興味語に分類されている閲覧記事の印象ベクトルの揺らぎを標準偏差より調べることで、ユーザの興味語に対する印象ベクトルを算出した。さらに、興味語ごとの抽出された印象ベクトルをユーザの利用特性として取り扱った。以上のことより、ユーザの記事に対する印象という概念のモデル化と、ユーザが共感できる記事の選択機構を実現した。
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