2006 Fiscal Year Annual Research Report
3-Dディスプレイ普及のためのステレオブラインド研究
Project/Area Number |
18700116
|
Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 雅洋 神奈川工科大学, ヒューマンメディア研究センター, ポストドクター (30397046)
|
Keywords | ディスプレイ / ユーザインターフェース / バーチャルリアリティ / 感性情報学 / 実験系心理学 / ステレオブラインド / 奥行き知覚 |
Research Abstract |
本研究においては3-Dディスプレイ(両眼網膜非対応[binocular retinal disparity]を利用して映像を三次元的に呈示する装置)の普及に向けた研究の一環として(1)ステレオブラインド(両眼網膜非対応を手掛かりとしては奥行きを知覚することができない者)の奥行き知覚を解明し、(2)ステレオブラインドに3-Dディスプレイが及ぼす影響を検討する。期間内に次の四つの問題に取り組む予定である。ステレオブラインドの奥行き知覚に関して、(A)両眼網膜非対応以外の手掛かりによる奥行き知覚、(B)水平非対応以外の両眼網膜非対応の影響。ステレオブラインドに3-Dディスプレイが及ぼす影響に関して、(C)3-Dディスプレイの悪影響、(D)行動への影響。これらの成果から、ステレオブラインドが不利益を被ることなく3-Dディスプレイを普及する施策の提言や規準作りを行うことを目指している。 平成18年度はステレオブラインドの奥行き知覚を測定する方法、ステレオブラインドに3-Dディスプレイが及ぼす影響を測定する方法を検討した。ステレオブラインドは斜視、弱視、斜視弱視の患者に多く、これらの患者には乳幼児、児童が多いことから、長野県立こども病院に協力を依頼、協議中であるが、乳幼児、児童を被験者とした実験を行う場合、いわゆる実験室において健常成人を被験者として行う実験の方法をそのまま適用することは難しい。また、病院において患者を被験者とした実験を行う場合、患者の負担を最小限に抑えるために迅速かつ確実に測定する方法が必要となる。そこで、実験の手続きや装置の検討を行った。平成18年度の成果を踏まえ、平成19年度からは上述の期間内に取り組む四つの問題の検討を開始する予定である。
|