2006 Fiscal Year Annual Research Report
強化現実における錯覚を利用した身体感覚誘発インタフェース
Project/Area Number |
18700126
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
盛川 浩志 早稲田大学, 付置研究所, 助手 (90386673)
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Keywords | ヒューマンインターフェイス / バーチャルリアリティ / 脳認知科学 |
Research Abstract |
強化現実空問におけるインタフェースについて、操作者の身体感覚に着目することで、直感的な操作を実現する方法の開発を目指し、仮想空間内での身体表現について検討を行った。仮想空間に表現された身体モデルを自分の身体の一部として認識するためには、視覚、触覚、体性感覚と言った複数の感覚刺激の統合が必要である。これらの感覚刺激の呈示条件を変化させることで、仮想空間内での身体感覚を操作することができると期待できる。呈示する感覚刺激の呈示条件を検討するため、実験を行った。 実験では、強化現実技術を利用したインターフェースでの操作を想定し、CGモデルによる身体表現を行った条件と、実写映像による身体表現を行った条件を設定した。映像は鏡を用いたディスプレイシステムによって実際の手と同じ位置に呈示した。それぞれの条件で視覚刺激を触覚刺激を、時間的ずれを持って呈示したときの印象の差について、近赤外分光法(MRS)による脳機能計測を行った。 脳機能計測の結果としては、側頭溝前後において特徴的な反応が見られたが、条件による差はあまり見られなかった。そこで、視覚刺激を呈示しない条件と、運動による体性感覚情報を提示する条件についても、NIRSでの測定を行った。その結果、視覚刺激を与えない条件では、上記の側頭葉近傍の部位では反応が見られなかった。そのため、視覚刺激が身体感覚の誘発に重要な役割を果たしていることが確認できた。これらの結果から、さらに視覚刺激の呈示条件を変化させた際の反応について検討を進めるとともに、実際のインタフェースでの効果について検討を行っていく。
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