2006 Fiscal Year Annual Research Report
局所尤度推定クラスタリングと多目的GAによる優良解網羅戦略とその応用
Project/Area Number |
18700137
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐久間 淳 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (90376963)
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Keywords | クラスタリング / 局所尤度 / 確率モデル / 遺伝的アルゴリズム / 多目的最適化 / 実数値GA |
Research Abstract |
解を集団として保持しつつ探索する遺伝的アルゴリズムは,目的関数を複数有する多目的最適化において,パレート解集合を高精度で求める手法として注目されている。一般に、得られたパレート解集合は目的関数空間上での均一さや広がりなどで評価されるが,工学的実用性の観点からは,種類の異なる解を,なるべく多数発見する探索戦略(優良解網羅戦略)が重要である.ここで種類の異なる解とは、決定変数空間において互いに類似度の低い局所解を指す。今年度は、優良解網羅戦略の要素技術となる、クラスタリング法であるCWEM法と、多目的局所探索手法であるPDRを提案した。 混合分布推定には一般にEMが利用されるが、EM法による推定は,与えられた混合数と初期モデルパラメータに基づき,逐次的にモデルの対数尤度を単調増加させ,局所最尤推定に収束することが知られている.また混合数の事前の決定は一般に困難ゆえ,通常は様々な混合数mにっいて混合分布推定を行い,BICなど情報量基準により決定する.のため混合数$m$が大きい場合はこの点においても計算コストが高いといえる,上記の事情を考慮し,本研究では混合数およびデータ数に対し優れたスケーラビリティを実現するComponent-Wise EM (CWEM)を提案した.CWEMは平均場近似に類似した方法により事後確率計算を高速化し,一般化EM法による推定を行う方法である。これらの成果は人工知能学会論文誌にて公表予定である。 また多目的最適化において、解と実行可能領域境界の関係,また,パレート降下方向と降下方向の実行可能性を適切に考慮する高性能な局所探索手法Pareto Decent Method (PDM)を考案し、目的関数の微分可能性を仮定した上で,3目的以上で制約条件がある場合でも少ない計算コストで効率よく探索を行う局所探索手法を提案した.これらの成果は人工知能学会論文誌、Genetic and Evolutionary Computation ConferenceおよびEvolutionary Multi-Criterion OptimizationのProceedingsにて公表した。
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