2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18700156
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
瀬田 和久 Osaka Prefecture University, 理学系研究科, 准教授 (50304051)
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Keywords | メタ認知 / 設計モデル指向 / メタ認知タスクオントロジー / メタ学習 |
Research Abstract |
学習活動を実施しながらそれと並行して実施する問題解決活動は,実施者にとって極めて認知的負荷が高く,それらを統制するメタ認知活動を適切に実施することが困難であるという問題がある.このため本研究では,学習と問題解決の過程で対話的にメタ認知を促す支援システムを開発することで,人間の知的能力の発揮を促すシステムの開発を目指している.本年度は,メタ認知を促す支援システムのパイロット評価とその結果を受けたシステムの洗練に重点を置き,以下の項目について研究を実施した. (1)システムの運用(第一段階):前年度の研究過程でその有用性に着目したプレゼンテーションタスクを対象として構築した支援システムをパイロット運用し,メタ認知支援の内容や効果を評価するため,パイロット運用を行った. (2)学習スキルオントロジーの構築:支援援機能をさらに洗練するため,オントロジーを拡充した.教育心理学分野の学習理論を精査するとともに,(1)でのパイロット運用に基づいてメタ認知タスクオントロジーを洗練した。メタ認知のきっかけとなる認知的葛藤を促す情報や,実施過程で注目すべき情報を効果的に提示することは,メタ認知支援において特に重要であるため,適切なタイミングで,適切な情報を,効果的に提示するための原理的知識を,学習スキルオントロジーとして構築した. (3)対話的メタ認知支援システムの実現(第二段階):(2)のオントロジーをシステムに組み入れ支援機能を洗練するとともに,インタフェースの操作性についても洗練した. (4)システム設計モデルの洗練:プレゼンテーションを教材としてメタ認知能力の育成を支援するシステムを構築するためのシステム設計モデルの洗練を行った.これにより,同様の目的を持って構築された他のシステムとの支援機能の違いを明確にすることが可能となった.
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