2008 Fiscal Year Annual Research Report
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18700159
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
金井 貴 Prefectural University of Kumamoto, 総合管理学部, 准教授 (30313711)
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Keywords | コンプライアンス / 解集合モデル / 内部規程 / 解釈バイアス |
Research Abstract |
本年度は前年度の研究を基に、従業員等がコンプライアンス規程に関する知識を運用する際に採用する可能性のある解釈について、個々人の解釈の選好を加味した形で具体的に解釈モデルを生成する手法について研究・発表を行った。 本研究ではどのような観点に立ってコンプライアンスに関する規程を解釈する可能性があるのかを表現するため、従業員等コンプライアンス規程を解釈する人それぞれが持つであろう業務等に関連する主観を表現する枠組みを導入した。具体的には、個々人が持つ解釈の癖や業務遂行プロセスにより獲得したであろう解釈の選好を表現するためにバイアス知識という概念を導入することで、コンプライアンス規程の主観的解釈という観点を表現することが可能となり、それにより解釈多様性を実現することとした。この手法により現実においてどのようにコンプライアンス規程を解釈する可能性があるのかを、コンプライアンス規程を表す客観的な知識と個々人が持つ主観的なバイアス知識として表現し、これらを総合して解集合モデルを生成することによって、より現実的な解釈モデルを生成することが可能となる。 また考案した手法を用いることにより従来よりも多様かつ現実的なコンプライアンス規程の解釈が可能であることを示すため、プライバシーを含むかどうか解釈が分かれ、アクセス権の判断が容易には判断できない顧客データベースに対する従業員へのアクセスコントロールに関する例を用いて本研究が従来研究と異なる点を分析し、従来手法では発見できなかったより多様性のある解釈を発見することが可能であることを示した。 本研究の成果により、解集合モデルに基づくバイアス知識を導入したコンプライアンス規程の解釈手法はより多様で現実味のある解釈を生成でき、法令遵守を含むコンプライアンスを計算機上でモデル化するための基盤となりうる技術であることを明らかにすることができた。
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Research Products
(1 results)