2006 Fiscal Year Annual Research Report
高速時分割トラッキングによる一千万個細胞群の個体識別システム
Project/Area Number |
18700167
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥 寛雅 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助手 (40401244)
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Keywords | 情報センシング / 顕微鏡 / 高速画像処理 / 細胞 / ラベリング / オートフォーカス |
Research Abstract |
平成18年度は主として,1.複数細胞の高速認識アルゴリズム開発,2.細胞への高速フォーカシングアルゴリズム開発,の2点を行った. 1.複数細胞の高速認識アルゴリズム 光学顕微鏡に取り付けた高速ビジョンにより得られた顕微鏡視野内に存在する複数の細胞の像を計算機に取り込み高速に処理・ラベリングすることで個々の対象を認識するアルゴリズムを構築した.高速ビジョンは一秒間に1000フレームの画像を取得してくるため,画像の処理・ラベリングに許される時間は1/1000秒である.この短い時間ですべての処理を終わらせるために,複数のCPUで並列実行可能なラベリングアルゴリズムを開発した. また,カタユウレイボヤ(Ciona intestinalis)の精子群の位相差像に開発した画像処理アルゴリズムを適用したところ,一画面中に100個程度までであれば,1ms以内に複数個体を識別可能であることを確かめた.画像処理はデュアルコア,デュアルCPUを持つ計算機で行った. 2.細胞への高速フォーカシングアルゴリズム 研究代表者がこれまで開発してきたオートフォーカスを行う手法に基づき,細胞の位置をこれまでより広範囲・高精度に推定する手法を構築した.この手法は細胞の回折像に含まれる細胞と焦点面との位置関係の情報を用いて細胞の奥行き方向位置を推定するものである. 本年度は回折像からの情報の抽出手法を改良し,これまでの手法に比べて広い範囲に分布する細胞について精度よく位置を推定することを可能とした. また,実際にイースト菌を対象にしたフォーカシング実験から,対象の奥行き方向位置を1ms以内,1μm以内の精度で推定可能であることを確認した.
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