2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳視覚野におけるテクスチャ弁別計算をモデルにした集積視覚システム
Project/Area Number |
18700178
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
下ノ村 和弘 大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 特任講師(常勤) (80397679)
|
Keywords | アナログ集積回路 / ロボットビジョン / 視覚情報処理 |
Research Abstract |
本研究では、生体視覚系のテクスチャ弁別計算モデルを、複数のアナログ集積回路により階層的かつ実時間で計算するマルチチップ視覚システムを構築している。平成18年度においては、まず、100×100画素シリコン網膜と単純型細胞チップを組み合わせて、入力画像から特定の方位の成分を抽出する視覚システムを構築し、その特性を調べた。実験では、グレーティングパターンを入力画像として用い、その方位と空間周波数を変化させた。このとき、システムの最適方位および最適空間周波数を変化させながら、応答を計測した。その結果、システムのパラメータを制御することにより入力パターンから特定の方位および空間周波数成分を取り出せることが確認できた。マルチチップシステムにより、複数の異なる最適方位および最適周波数にチューンされたチップを並列に配置することで、複数の方位、空間周波数成分を同時に取り出すことができる。これらの成果を、本年度開催された国際会議(The 5th IEEE Conference on Sensors, Daegu, Korea, 2006.10.22-25)において発表した。このシステムは、目的とするテクスチャ弁別モデルの前半部分に相当し、異なるテクスチャ領域に含まれるパターンの方位および空間周波数成分の違いを取り出す重要な計算を担う。この部分のハードウェアの特性が確認できたことで、テクスチャ弁別モデルの後半部分に相当する集積回路の仕様を決定して回路設計を行うことができ、目的のシステム全体の構築への道筋がたった。
|