2006 Fiscal Year Annual Research Report
ロボット飛行体の力学的安定化と知能制御に関する研究
Project/Area Number |
18700203
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
岩田 拡也 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (70356533)
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Keywords | 航空宇宙工学 / 知能ロボティクス / 輸送機器 / 次世代交通システム |
Research Abstract |
従来の固定翼航空機の場合、主翼と胴体は固定されたところから設計されるため、胴体ピッチ軸と主翼ピッチ軸の方向は原理的に一致しており、ピッチ軸が変化したときの変位量も常に一致する。固定翼航空機が地上接地時には、降着装置が地面に接地した状態における胴体ピッチ軸と主翼ピッチ軸の関係は、原理的に常に固定されるため別々に変化させることは不可能である。このため、通常固定翼航空機は離陸時のエレベータ操舵により胴体ピッチ軸ごと変化させ主翼のピッチ軸すなわち迎角を変化させることにより、離陸を行う。離陸時の力学的特性は、飛行体の大気速度と進行方向に加わる力の関数により表現される。進行方向に加わる力には、空気抵抗と地面摩擦抵抗があるが、後者がゼロとなる点が全ての加重が抜けた点すなわち離陸点として表現される。従来の固定翼航空機の場合、この動摩擦抵抗と飛行体の大気速度の関数は、操縦によるエレベータ操舵により不連続関数となるため、理論的な離陸特性曲線が導出不能であった。これに対して、本研究により考案された新型ロボット飛行体の場合、地上接地時の降着装置が地面に接地した状態においても、胴体ピッチ軸と主翼ピッチ軸に変位を与えることが可能な構造となっている。この構造は振り子安定制御構造であり、主翼の一点のみが多軸の動力関節により接合されるものであり、この新しい特徴により、従来固定翼航空機で導出不能であった理論関数の導出に成功。この理論関数と2回の離陸実験の実測値がほぼ一致していることを明らかにした。この理論関数により、開発したロボット飛行体の離陸に関する知能制御が可能となった。この成果を第24回日本ロボット学会学術講演会と、日本航空宇宙学会主催の第44回飛行機シンポジウム、第15回日本機械学会交通・物流部門大会にて学会発表。第15回日本機械学会交通・物流部門大会において、優秀論文講演表彰を受賞。
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Research Products
(1 results)