2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18700213
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
若山 大樹 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (40363741)
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Keywords | 調査協力 |
Research Abstract |
社会科学研究分野で得られる知見の多くに社会調査が用いられるが、社会調査は被調査者の調査への協力により成り立っている。一般に被調査者の協力の程度は、回収率や部分的無記入率といった量的・質的指標により検討されるが、記入された回答(観測データ)そのものについて、その質的・量的指標を議論する必要性が指摘されている。本研究では、通常の質的・量的指標に加えて個々の回答の曖昧性について着目し、観測された被調査者の回答の質を測定・議論するために必要な構成概念(協力量)導入の必要性を指摘し、調査協力行動の包括的モデルを構成することを目標において取り組んでいる。本研究は三年計画であり、本年度は、その一年目に当たる。 本年度(平成18年度)は、調査協力の包括的モデルを構成するために必要な文献(社会調査、マーケティングリサーチ、社会心理等)収集および、公開データ(全国地方自治体が統一的なテーマで実施した平成の大合併における住民意識調査を中心に)収集・分析を実施し、その一部のデータ(事例)を用いて、調査協力の質的指標としての部分的無記入の傾向を検討した。また、部分的無記入と基本属性項目との関連性を指摘し、自治体郵送調査に関する地域住民の調査協力の質的側面について検討した。さらに、回答の曖昧性を測定するためファジィ評定法による小規模アンケート調査(被験者131人)を実施した。 これらの研究の成果は、日本行動計量学会、日本地域学会などの学会大会で発表され、また、学会誌への投稿がいくつかなされている。
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