2006 Fiscal Year Annual Research Report
進化型計算における統一的進化ダイナミクス理論の研究
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18700227
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
森 直樹 大阪府立大学, 工学研究科, 講師 (90295717)
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Keywords | 遺伝的アルゴリズム / 遺伝的プログラミング / 進化ダイナミクス / 一般化突然変異 / ねじれ度 / 遺伝子座エントロピー / 簡約化 / 部分木エントロピー |
Research Abstract |
まずは遺伝的アルゴリズム(GA)に限定して個体群の状態遷移を理論的に定式化した.新指標「一般化突然変異率」および「ねじれ度」を提案し,厳密な数学的定義を与えた.これらの指標により,個体群の状態遷移の特性が明確に解析できることを数値実験により示した.結果の比較はt検定に代表される統計的手法を拡張して用いた.その結果,提案する指標によって進化ダイナミクスの詳細な解析が可能となることを示せた.また,申請者が既に提案している遺伝子座エントロピーや累積個体種数に代表される既存の有用な指標についても解析し,提案指標との関係を明らかにした.また,より詳細な解析を可能とするために従来の世代ではなく演算子に基準を置く新しい解析手法を提案し,各演算子の特性と役割を明確に示した. 次に,申請者はすでにGAにおける多様性解析手法を確立しているため,遺伝的プログラミング(GP)における同様の手法を提案した.具体的には,「部分木を基準としたエントロピー評価法」,「ノード変換による木構造の簡略化手法」を提案し,数値実験によってGPにおける多様性評価手法を完成させた.数値関数,論理関数を例題としてGP個体の冗長性の探索への影響および個体表現の簡略化手法が必要なことを示した.また,木構造における新しい多様性評価指標として部分木エントロピーを提案し,この指標の従来手法に対する優位性を数値実験により確認した.特に重要な結果として,GPの探索性能と簡約化後の部分木エントロピーに強い相関があることを発見した.
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