2006 Fiscal Year Annual Research Report
ファジィシステム設計のための設計者の評価に基づく進化型多目的最適化手法の開発
Project/Area Number |
18700228
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
能島 裕介 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (10382235)
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Keywords | ファジィシステム / 進化型多目的最適化 / 対話型計算手法 |
Research Abstract |
本研究では,進化型多目的最適化における複数の解候補に対してクラスタリングを行い,代表解として設計者に提示し評価を受け,そして,その評価から設計者の評価関数(選好)を同定し,多目的最適化の一つの目的として利用する.本研究の特徴は,ファジィシステムを設計するにあたって必要とされる基本的な目的(精度の最大化と複雑性の最小化)を満たしつつ,設計者の選好を満足するファジィシステムを獲得できることである.まず,解候補をクラスタリングするためのクラスタリング手法の調査および,使用者の評価を取り入れた進化型多目的最適化手法の先行研究について調査を行った.次に,使用者の選好を事前に与えた進化型多目的最適化手法の開発と性能評価を行った.具体的には,使用者の選好に基づいて,目的関数自体を変更し,使用者が理想とする解の周辺に,複数の目的を考慮した多数の解が生成できることをベンチマーク問題により示した.ファジィシステム設計への適用と設計者の評価関数の対話的同定等は,今年度実装予定である.上記の研究と平行して,評価者の時間的な負担を軽減するために,ファジィシステム設計における計算時間(最適化に掛かる時間)を短縮する方法として,並列分散型の進化型多目的最適化手法の開発を行った.具体的には,複数の演算コアを用いて,解候補となるファジィシステムを分散的に評価する方法である.この手法をパターン識別問題に適用し,精度と複雑性を考慮したファジィシステムが,コア数の2乗に比例して高速化されることを示した.
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