2006 Fiscal Year Annual Research Report
理想的ではない断続動作特性が合成力学系に与える影響について
Project/Area Number |
18700235
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
高坂 拓司 大分大学, 助教授 (80320034)
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Keywords | 断続動作特性 / 非線形力学系 / 理想的ではないスイッチング / 分岐現象 / カオス |
Research Abstract |
理想的ではない断続動作特性を有する合成力学系に関する基礎研究を行った.特に,分岐条件を解析的に導出可能な系を中心に研究を進めた. 1.スイッチング動作に遅延が発生する系のモデル化および分岐解析 スイッチング動作が理想的ではない簡素な合成力学系を提案し,ポアンカレ写像および特性乗数の導出法を示した.また,各々の系に生じる非線形現象についても考察し,分岐条件を導出した. 2.遅延もしくは高周波振動が理想的な断続動作特性を有する力学系にあたえる影響 上記の理想的ではないスイッチング動作は,不変区間を若干広くすることを数学的に示した.また,系の一部が二価関数で記述されることを示し,理想的な系には見られない解軌道の共存について検討した.一方,この影響が系に発生するカオスアトラクタの安定性に重要な役割を担っていることも明らかとなった. 3.遅延及び高周波振動が発生する系の定性的な比較 合成力学系から導かれた写像を観察した限りでは,2種類の理想的ではないスイッチング動作は合成力学系に等価な影響を与えているように見受けられた.そこで,広いパラメータ空間における二次元分岐図を導出し,これらの理想的ではないスイッチングが力学系に等価な影響を与えることを示した.
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Research Products
(5 results)