2006 Fiscal Year Annual Research Report
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18700237
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Research Institution | Akita Research and Development Center |
Principal Investigator |
間所 洋和 秋田県産業技術総合研究センター, 高度技術研究所, 研究員 (10373218)
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Keywords | ソフトコンピューティング |
Research Abstract |
本研究課題では、動的再構成型デバイスを用いて大規模かつ実時間学習可能なニューロチップの開発を目的とする。具体的には、Grossbergらが提案した安定性と可塑性を併せ持つ追加学習型ニューラルネットワークのART(Adaptive Resonance Theory)ネットワークをハードウェア化するとともに、設計資産としてのIP(Intellectual Property)化を目指している。本年度は以下の結果を得た。 1.ART2のソフトウェア実装と分類粒度の制御 連続値入力が可能なART2ネットワークをソフトウェア実装し、分類粒度を決めるビジランスパラメータについて評価した。その結果、ガボールウェーブレット変換により得られる特徴量を選択性に与えることによって、冗長なカテゴリの発生を抑えつつビジランスパラメータを絞り込むことが可能となった。 2.顔画像データベースを用いた評価 独自に構築した時系列顔画像データベース(10名、基本6表情)に適用した結果、顔の動的多様性として定義される表情の表出プロセスにおける時系列位相変化を、ARTのカテゴリ変化として選択的に検出することができた。 3.動的再構成型デバイスによるハードウェア実装 動的再構成型デバイス開発環境を導入し、並列動作が可能なニューロン単位で動的再構成の基準となるマトリクスに分割し、画路の記述から、合成、シミュレーション、実装までを行った.その結果、ART2ネットワークの短期記憶を実現するF1層の各サブレイヤを動的に切り替えることにより、実装面積を抑えつつ高速化できる見通しを得た。また、追加学習が進むにつれて記憶空間と探索時間が増加する長期記憶部のF2層に関しては、コンテクストの概念を導入することにより、探索空間が絞り込めることを確認した。
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