2008 Fiscal Year Annual Research Report
国立大学法人におけるアーカイブズと情報公開および個人情報保護制度に関する研究
Project/Area Number |
18700245
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
平井 孝典 Otaru University of Commerce, 百年史編纂室, 非常勤職員 (20396336)
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Keywords | 情報社会学 / アーカイブズ / 文書管理 / 検索システム / 情報公開 / 個人情報保護 / 大学アーカィブズ |
Research Abstract |
大きく二つの成果を得ている。ひとつは、小樽商科大学で情報公開、個人情報保護、および資料の管理と整理を実現するために、自らRDBMSの資料検索システムを作成した。小規模アーカイブズのモデルシステムを目指すものである。作成にあたっては、当然、ICAの指針に従うだけでなく、研究会やフィンランドのアーカイブズで学んだことを踏まえている。システムの概要とこの設計の考え方については2009年度内に報告する。二つ目に、京都大学大学文書館で行われた研究会に出席し、京都大学大学文書館の資料検索システムなどについて、他大学の教職員らと意見交換をした。また、3月には、アイスランドのアイスランド大学、レイキャビク市アーカイブズ、同国の国立公文書館を訪れ、行政文書のリテンションスケジュールについて具体的な説明をいただいた。デンマークでは、国立公文書館で、一元的に運営されているアーカイブズの仕組みの説明を受けつつ、電子資料のマイグレーションポリシー(媒体変換計画)の概略を勉強した。情報公開法、個人情報保護法、公文書管理法に積極的に対応すべく、小樽商科大学におけるリテンションスケジュールとマイグレーションポリシーの試案を作成中である。そのほか具体的な研究成果としては、2008年3月8日のアジア経済研究所での報告をもとに、「大学研究資料としての旧植民地関係図書資料」と題した論文が刊行された。また、フィンランドの国立大学などのアーカイブズの制度について、「アーカイヴズのない国立大学は消滅統合へ」『京都大学大学文書館だより』(第15号2008年10月31日)と題して出版された。なお、科学研究費全体に関連する成果として、「文書管理の制度とその思想的背景についての序論」という題で国立公文書館の研修レポート作成の際に執筆した。2009年度に研修報告集として刊行される。内容は本科学研究費の成果でもある。
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