2006 Fiscal Year Annual Research Report
議論の収斂プロセスの動的変更が可能な匿名型予算決定支援システムの開発
Project/Area Number |
18700246
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
岩井 淳 群馬大学, 社会情報学部, 助教授 (60293081)
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Keywords | 意思決定支援 / DSS / 匿名性 / 議論の収斂 / 動的変更プロセス / 予算決定 |
Research Abstract |
本研究は,予算決定等の意思決定で重要となる収斂的支援をあわせて行う匿名保証型DSSをインプリメントし,収斂過程が実際に改善するか否かを「多数の代替案や反対案が洗練された少数案となるか否か」の視点から実証的に確認することを目標としている.本年度は,議論の中で議論の進め方が変わるという動的変更を含む収斂プロセスに適切な形式的表現を与える内部構造と,参加者の多様なアクセス方式に耐えるインターフェースを準備する方針で,システム設計作業を推進した。中間成果として,明らかに法的問題を含む文書提出がなされた際に,システム管理者の判断を待つことなく,同システムの参加者の合意に基づいて一時的に同文書を隠蔽する機構の設計をまとめ,学会発表を行った。また,匿名性保証のあるシステム内の参加者調査でも結果的に匿名性が失われる場合がある問題を検討し,この問題を回避するため,調査対象者側の判断に基づき質問項目を動的に変更することを可能にする新たな参加者調査の仕組みの設計を行い,学会発表を行った。後者の匿名性支援を重視した参加者調査の機構は,リレーショナルデータベースの利用を前提としており,質問票の内容を質問項目ごとに分けて処理し,調査対象者が自分を特徴づける可能性の高い項目を他の部分から切り離すことを可能にする機能を含む点に特徴がある。 関連研究の調査としては,電子政府と電子民主主義の文脈で匿名性の問題を論点に含む研究文献を,特に米国の文献を中心に収集し,現在検討を進めつつある。
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Research Products
(2 results)