2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳機能イメージングによる視覚情報統合の神経基盤解明
Project/Area Number |
18700260
|
Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊丸岡 俊秀 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 講師 (20387351)
|
Keywords | function MRI / 表情 / 視覚情報統合 / 顔 / 視覚的短期記憶 |
Research Abstract |
視覚情報統合に関わる神経メカニズムを明らかにするために,視覚刺激を用いた課題遂行中の脳活動をevent-related functional MRIによって測定した.本研究では視覚的情報として筆者が従来の研究で用いてきた幾何学図形ではなく,人間の顔表情を用いることとした.これは主に(1)社会的コミュニケーションツールとしての顔の重要性,(2)顔処理に関連すると考えられている脳領域が広範にわたるため,視覚情報統合メカニズムの包括的理解に適していることという2点の理由から行った変更である. 実験では視覚刺激として表情のついた顔画像を用い,顔が持つidentityと表情という2種類の情報を(1)統合する必要がある場合,(2)identityのみ処理すれば良い場合,(3)表情のみ処理すれば良い場合,(4)どちらも必要ないという4つの条件を設定した.被験者の行動パフォーマンスには大きな違いは見られなかったものの,条件別に分けて脳活動パタンを評価したところ課題達成に必要な情報によって脳活動パタンが異なる可能性が示唆された.現時点では十分なデータ数が集まっていないため予備的な結果であるが,情報統合が必要な場合には,顔処理に関わるとされる紡錘状回の活動に加え,両側の背側前頭皮質に活動が見られる傾向があった.これにより,現在用いている実験パラダイムの有効性が確認できたため,今後はさらにデータを収集することで結果の信頼性を高めることを第一の目標として実験をすすめる.
|