2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳は矛盾をいかにして解決するか?-知覚闘争における脳活動ダイナミクスの研究-
Project/Area Number |
18700265
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
南 哲人 独立行政法人情報通信研究機構, 第一研究部門未来ICT研究センターバイオICTグループ, 専攻研究員 (70415842)
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Keywords | 知覚闘争 / MEG / 位相同期 / 仮現運動 |
Research Abstract |
本研究では、双安定性仮現運動刺激を用いて、知覚闘争時におけるMEGのチャンネル信号間の位相同期関係を見ることにより、知覚闘争に関する脳内ネットワークの機能的ダイナミクスを調べる。方法としては、周波数標識法を使わずに、定常刺激提示(Rivalry条件)と非定常刺激提示(Replay条件)の条件間の比較によって、知覚闘争に固有な位相同期を検出し、その機能的意味づけを行う。MEG信号解析方法としては、チャンネルx、yの位相同期を評価する場合、次の4つのステップを行う。 (1)チャンネルx、yの信号から、ボタン押し毎にeventを立てたMEGチャンネルの脳磁波時系列を抽出し、bandpassフィルタをかける。(2)Hilbert変換を用いて、複素平面への写像を行い、瞬時振幅を求めると共に、2つのチャンネル間の瞬時位相差を、ボタン押しごとに求める。(3)(2)で求めた瞬時位相差をもとに、位相同期指数(Phase locking value(PLV))を求める。(4)PLVの統計的重要性をチェックするために、サロゲートデータに基づく、評価を行う。パワー、位相同期の値については、ボタン押し1800-1500msをベースラインにとり、標準化を行った。その結果、Rivalry条件のガンマ帯(38Hz)において、前部のパワーが増大→前部-後部間の位相同期の高まり→後部のパワー増大というRivalry特有のダイナミクスが見られた。Replay条件には、このようなパターンが見られなかった。fMRIの結果と合わせて考えると、これらの時間パターンは、inferior frontal gyrusとhMT+/V5間の同期を反映していると考えられる。
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Research Products
(1 results)