2007 Fiscal Year Annual Research Report
脈波データに対するカオス時系列解析法の開発及び脈波のカオス性と動脈硬化との関連
Project/Area Number |
18700270
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
米本 孝二 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 研究員 (90398090)
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Keywords | 交差検証法 / 埋め込み次元 / 遅延時間 / スケルトン / リヤプノフ指数 / 脈波 / カオス / スプライン |
Research Abstract |
1.kステップ先予測に基づく埋め込み次元と遅延時間の推定法の理論的検証と数値的検証を行った。決定論的システムの下では、理論的には何ステップ先予測であっても真の埋め込み次元と遅延時間は最適なものであることを示すことが出来る。実際のデータにはノイズが含まれるので、ノイズの影響の増幅を考慮しないといけないが、決定論的システムに対する理論的な結果から、kが小さくノイズが小さければ1ステップ先予測に対してもkステップ先予測に対しても真の埋め込み次元と遅延時間は最適であるはずだと考えた。そして数値実験では、上記予想通りの結果を得ることが出来た。次に動脈硬化関連疾患を患っていない健常な人の脈波データを解析した。各遅延時間に対し時系列の(k×遅延時間)のラグに対する自己相関関数が最初に0と交差するkをLとする。各遅延時間に対し、k=1〜Lまでのkステップ先予測の交差検証法の値を求め、L個の交差検証法の値がすべてある基準値以下となさる最小の次元を求め、それを埋め込み次元としリヤプノブ指数を計算した。すると多くの場合にリヤプノブ指数は正のリヤプノブ指数を示し、スケルトンを見てみると、元の力学系の情報をきちんと捉えているように見えた。このことをIndian Statistical Instituteで行われた国際シンポジウムにおいて発表した。 2.追跡研究において曝露の疾患に与える影響の柔軟な評価を可能にするために、時間依存共変量とスプラインを用いたFunctional ANOVA modelを開発した。開発した手法を久山町研究のデータに適用し、従来のアプローチと比較して有用であることを示した。この結果はStatistics in medicine誌に掲載が決定し、2つの国際シンポジウムにおいて発表した。
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