2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18700272
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
大門 貴志 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (40372156)
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Keywords | 医学統計 / 生物統計 / 薬物動態学 / コンパートメント・モデル / 非線形性 / 最適デザイン |
Research Abstract |
医薬品の評価過程では、生体内の薬物動態を解明する統計的方法淪が大きな鍵を握り,そのための有用な道具の一つが「コンパートメント・モデル」である.本研究は,このコンパートメント・モデルに焦点をあて次に掲げる,1)から3)の主題およびそれに付随する諸種の主題を遂行することで,薬物動態学(薬動学[Pharmacokinetics])における統計的推論方式を研究開発し,医薬品の適正な臨床評価過程に寄与した:1)コンパートメント・モデルの非線形性に注目して曲率測度に基づく柔軟な適合診断方式を提示し,薬物動態学で経験的に使用されるパラメータ変換の妥当性に関する診断方法を確立した.これによって,コンパートメント・モデルから導き出される推測結果の信頼性が点検できる.2)血中薬物濃度データの標本抽出時点・回数についてロバストな最適設計基準を研究開発した.これによって,これまで臨床では医師の匙加減もしくは経験則で行われていた採血時点およびその回数の最適性が統計的に評価することが加納となった.頻回の採血を軽減できる場合もあり,採血される被験者の苦痛が緩和されることが期待できる.3)一般化正規分布,対数ガンマ分布,打ち切り分布に基づいて,血中薬物濃度データの観測機構の妥当性確認(とくに定量限界への対応)のための統計的方法論を研究した.従来の対称分布と打ち切り分布とで,コンパートメント・モデルにおけるパラメータの推定性能が異なることが明らかになった. 622字
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