2006 Fiscal Year Annual Research Report
高機能ペトリネットによる動的生命パスウェイモデルの視覚的デバッグ手法の開発と適用
Project/Area Number |
18700285
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長崎 正朗 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90396862)
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Keywords | ペトリネット / マイクロアレイ / パラメータ推定 / モデル選択 / 視覚的デバッグ |
Research Abstract |
蛋白質の強制発現、遺伝子破壊、活性型あるいは抑制型変異蛋白質の発現、強制リン酸化、移行シグナルドメインの削除、薬剤の投与などの一般的な生物実験によってでてくる、タンパク質の相互作用、局在情報、タンパク質・DNA相互作用情報のさまざまな計測結果が、どのような生物学的な特性を計測したものであり、どの程度の信頼度に分類され、どのような制限規則として利用ができるのかを数学的に定式化し整理することを推進した。さらに、この定式化された情報を元にペトリネットのもつ視覚的に表現できるという特徴を最大限に活かしてこれらの事実を簡潔にパスウェイの制限規則として表現できる方式と理論を申請者が開発した高機能ペトリネットHFPNeを発展させることを検討した。 高機能ペトリネットを用い、EGF刺激によるシグナル伝達経路のモデルを学術論文を精読することで構築し、さらにSILAC法によって計測されたプロテオミクス時系列データを利用することで、より適切なモデルを推定する方法論と実装を開発し成果をあげた。さらに、線虫の味覚受容細胞ASEが、右と左の細胞(ASER, ASEL)に分化する系について提案されているmicroRNA(lsy-6とmir-273)を含むDouble Negative Feedback Loopネットワークの制御関係を、学術論文を精読しつつ、高機能ペトリネットを用いてダイナミクスを含む形の世界初のモデル化を行つた。さらに、野生株と変異体でのin vivoの結果を本研究によって開発した制限規則を利用し記述をおこなった。さらに、この制限規則を利用してin silicoの結果との比較を行った。その結果、構築したin silicoモデルは、変異株の制限規則を完全に満たすことができる妥当なモデルであることが証明できた。
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