2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞の位相応答曲線のベイズ推定とIN-VITROネットワークの構築
Project/Area Number |
18700299
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
青西 亨 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 講師 (00333352)
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Keywords | 位相応答曲線 / 摂動応答実験 / ベイズ統計 / 自由エネルギー / 事後確率最大化 / 確率過程 / 振動子 / 神経細胞 |
Research Abstract |
本年度は、ベイズ統計の枠組みで神経細胞に対する摂動応答実験により位相応答曲線を推定するアルゴリズムの開発を行った。位相応答曲線はIn-Vitroにおける摂動応答実験から得られるデータから推定することができる。しかしながら摂動応答実験によって得られるデータは神経細胞に内在するノイズや入力する摂動によって劣化してしまう。本研究では、まずこの劣化過程をFokker-Planck方程式を用いて解析的し、位相応答曲線の尤度を導出した。そして、滑らかさを取り入れた事前分布を導入し、ベイズの定理より位相応答曲線の事後確率分布の導出をした。この事後確率最大化により位相応答曲線を推定するアルゴリズムを構築した。また、導出したアルゴリズムの周辺化尤度を解析的に導出することに成功した。この周辺化尤度を最大化することにより、事前確率分布のパラメータであるハイパーパラメータを推定する手法を確立した。数値シミュレーションにより提案したアルゴリズムの性能を評価して、アルゴリズムの有効性を確認した。これらの成果を、国内の会議、米国のIBMワトソン研究所やニューヨーク大学のセミナーで発表した。また、成果の一部は項目11に示す英文論文誌に掲載された。 電気生理実験を専門とする下記の研究協力者と共同で、開発したアルゴリズムを電気生理実験に適用するための予備実験を実施した。そして、開発したアルゴリズムが電気生理実験に適用できることを確認した。 [研究協力者] 東京薬科大学・生命科学部・教授 宮川博義 電気生理実験 東京薬科大学・生命科学部・研究員 渡部重雄 電気生理実験
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