2007 Fiscal Year Annual Research Report
IT野の物体認識メカニズム解明のための多重安定アトラクタを持つ神経回路モデル
Project/Area Number |
18700302
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Research Institution | Oita National College of Technology |
Principal Investigator |
木本 智幸 Oita National College of Technology, 電気電子工学科, 准教授 (30259973)
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Keywords | 生体生命情報学 / 統計力学 |
Research Abstract |
IT野にはヒトやサルの顔を認識するニューロンが存在し、学習済みのAさんの顔を見せると最初に、ヒトをコードしている全てのニューロンが発火し、その後、Aさんの顔をコードしているニューロンだけが発火を持続し、それ以外は発火しなくなる。つまり、最初は物体の大まかな認識(ヒトかサルかのグループ認識)が行われ、続いてそれが誰なのかという詳細な認識が時間を追って行われる。18年度は、連想記憶モデルをこうした生理実験に対応させるために、サル群/ヒト群にグループ分けした記憶パターンを用意して、同一グループに属する記憶パターン同士を関連付けて学習するようにした。19年度は、より実際の脳のモデルに近づけるために、記憶パターンの発火率を下げるスパースコーディングをモデルに適用すると共に、発火率を制御するための発火率制御層を設けた。その結果、スパースコーディング下でも、関連付け学習パラメータをある値の範囲に設定すると、生理学的知見と類似の反応が得られた。このパラメータの範囲は、発火率50%モデルの場合と比較すると、より大きな値にシフトすることも分かった。ただし、パラメータの値が小さな領域では、逆に、生理学的知見を再現できないことも分かった。つまり、パラメータ範囲が広がることはなかった。また、関連付け学習パラメータを理学的知見が再現できる上限よりさらに大きな範囲に設定すると、新たに概念形成の情報処理が行えることが分かった。最後に、想起ダイナミクスの解析も行い、その過程に特徴的な性質が見られたので、それを元に、脳のメカニズムの可能性を調べる新たな実験パラダイムの提案を行った。
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Research Products
(1 results)