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2006 Fiscal Year Annual Research Report

長期増強誘発刺激による海馬苔状線維終末での神経伝達物質放出効率の変動解析

Research Project

Project/Area Number 18700305
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

石塚 徹  東北大学, 大学院生命科学研究科, 講師 (10344714)

Keywords開口放出 / 神経伝達物質 / 長期増強 / 海馬 / 神経科学
Research Abstract

海馬苔状線維-CA3シナプスでは,シナプス前性の長期増強(LTP)が起こることで知られており,そのメカニズムとして開口放出の増強が挙げられる。セカンドメッセンジャーであるジアシルグリセロールの類似体,フォルボールエステルは,プロテインキナーゼC(PKC)/munc13カスケードを活性化し,開口放出確率の増大及び放出可能プールの小胞数の増加により開口放出を増強させる。苔状線維終末は形態的・機能的多様性を有しており,開口放出増強メカニズムも個々の終末で異なることが示唆されているが,その詳細は不明である。本研究では,海馬苔状線維終末でのフォルボールエステルによる開口放出増強メカニズムを,個々の終末ごとに解析した。
海馬苔状線維終末に特異的にシナプトフルオリンを発現しているトランスジェニックマウスの脳から海馬を摘出し,定法により急性スライスを作製した。共焦点顕微鏡下に苔状線維終末を同定し,個々の終末における開口放出を光学的に計測した。その結果,フォルボールエステルによる開口放出増強作用は,個々の終末ごとに異なっていた。あるシナプスにおいては,開口放出確率が増大しており,別のシナプスでは,放出可能プールの小胞数の増加により開口放出が増強した。また,PKC阻害剤存在下では,これら二つのメカニズムによる増強作用は起こらなかった。
以上の結果から,海馬苔状線維終末におけるフォルボールエステルの開口放出増強作用は,開口放出確率の増大および放出可能プールの小胞数の増加による二つのメカニズムにより引き起こされると考えられた。どちらのメカニズムが優位になるかは個々のシナプスで異なるが,両者共にPKC依存的であった。このような機能的多様性は,海馬苔状線維終末のアクティブゾーンを構成する分子の相違を反映していると考えられる。

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Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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