2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18700306
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山崎 博幸 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助手 (10334137)
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Keywords | 樹状突起スパイン / 転写調節因子 / アクチン細胞骨格 / 核 |
Research Abstract |
本年度は、新規転写調節因子Spikarがスパイン形成に維持するのか、スパインの維持に機能するのかを明かにするための実験を行った。先ず、培養神経細胞でSpikarの発現を抑えるためのRNA干渉の条件設定を行った。Spikar特異的なshRNA発現ベクターを培養神経細胞に導入して、24時間おきにSpikarの減少傾向を観察したところ、導入後約4日経過した段階で安定した発現抑制効果を得られる事が分かった。次に、シナプス形成が始まりスパインが形成され始めるstage5の開始時期に発現抑制効果が現れるようにRNAiベクターを導入し、ある程度成熟した段階で固定・観察を行った。Spikarが発現抑制された神経細胞では、樹状突起上の突起(スパイン、フィロポディア)密度、及び興奮性シナプス密度が有意に減少していた。また突起の形態(長さ及び幅)を計測したところ、control群とRNAi群間で大きな差は見られなかった。このことから、Spikarはスパインの形成には機能しているが、形態制御には関わっていないと考えられる。次に、Spikarが形成されたスパインの維持に関わっているかどうかを明かにするために、神経細胞が成熟した段階でRNAiベクターを導入して、しばらくした後に固定・観察を行った。同様に樹状突起上のスパイン密度を計測したところ、Spikarが発現抑制された神経細胞ではcontrolに比べて約半分に減少していた。このことは、Spikarの発現抑制によって成熟したスパインが維持できないと考えられ、Spikarがスパインの形成のみならず維持にも関与していると示唆された。
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