2006 Fiscal Year Annual Research Report
AMPA型グルタミン酸受容体のスターゲージン分子群による活性調節機構の解析
Project/Area Number |
18700311
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山崎 真弥 新潟大学, 脳研究所, 助手 (70401768)
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Keywords | 神経科学 / 脳・神経 / コンディショナルノックアウト / グルタミン酸受容体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、stargazin分子群がAMPA型グルタミン酸受容体チャネルをどのような分子機構で調節するのかを個体レベルで検証し、その生理的役割を解明することである。そのためにstargazin分子群の中でも小脳に強く発現するγ-2およびγ-7サブユニットを欠損するマウスを作製した。C57BL/6系統ES細胞から作出したγ-2コンベンショナルノックアウトマウスは、自然発生型ミュータントマウスstargazerと同様に欠神てんかんと運動失調が見られ、離乳前後に致死であった。このマウスの生後20日での小脳AMPA型受容体タンパク発現量は特にPSD(Postsynaptic density)画分で約60%に減少していた。一方、γ-7コンベンショナルノックアウトマウスは外見上、表現型はなかったが、小脳でのAMPA型受容体タンパク量はPSD画分で80%に減少していたため、γ-2/γ-7は小脳のAMPA型受容体のシナプス部位への輸送とチャネル機能発現に関与していると考えられる。γ-2/γ-7ダブルノックアウトマウスの小脳ではAMPA型受容体がほぼ完全になくなることが予想されるが、現在までにこのダブルノックアウトマウスは生まれてはくるが、運動失調が重篤なため、生存率が低い。今後このマウスのAMPA受容体タンパク発現と活性の有無について電気生理学的、解剖学的に解析する予定である。また、γ-2欠損マウスの致死回避と運動失調の原因を解明するために、小脳顆粒細胞とプルキンエ細胞特異的にγ-2を欠損したマウスを作製中である。
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