2006 Fiscal Year Annual Research Report
行動異常を示す遺伝子改変マウスにおける樹状突起スパインの動態解析
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18700315
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高雄 啓三 京都大学, 医学研究科, 助手 (80420397)
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Keywords | 精神疾患 / 遺伝子改変マウス / 網羅的行動テストバッテ / 樹状突起スパイン / 蛍光タンパク質 |
Research Abstract |
統合失調症や双極性感情障害、うつ病等の精神疾患はいずれも高い生涯罹患率を有し、薬物療法が進歩した今日でも難治例は多い。とくに統合失調症は精神科入院患者の約6割を占め、医療費の高騰の面からも効果的な治療薬の研究開発が重要であるが、そのためには精神疾患の病態の解明の研究をさらに進める必要がある。近年、脳で発現する遺伝子を操作した遺伝子改変マウスが多く作製されており、なんらかの行動異常を示すものが多数報告されている。それらのマウスの行動を網羅的行動テストバッテリーでスクリーニングすることにより精神疾患や発達障害の各症状に対応するような行動異常を示すマウスが見出されてくると期待される。 本研究では、脳で発現する遺伝子の遺伝子改変マウスを網羅的行動テストバッテリーを用いて表現型解析をすることにより精神疾患様の行動異常を示す系統を選定し、行動異常を示す遺伝子改変マウスの脳を解析することよりその行動異常を生み出す脳内メカニズムを解明することを目的とする。これまでに2つの系統で精神疾患様の非常に顕著な行動異常を見出しており、それぞれのマウスを黄色蛍光タンパク質(YFP)をランダムに発現するThy1-YFPトランスジェニックマウスと交配させることによりスパイン動態解析実験用のマウスを得た。これらのマウスの脳切片を作製し神経細胞の形態の比較をした。1つの系統については形態をゴルジ染色も行った。これらの解析によりこの遺伝子改変マウスの神経細胞の形態が成熟な神経細胞とは異なっており、未成熟な状態であるということが示唆された。
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