2006 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変マウス大脳皮質In ViVoイメージングによる抑制性細胞群の活動解析
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18700329
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
惣谷 和広 独立行政法人理化学研究所, 津本研究ユニット, 研究員 (80415207)
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Keywords | 二光子レーザー走査型顕微鏡 / 方位(傾き)選択性 / GABAergic Neuron(抑制性神経細胞) / 大脳皮質第一次視覚野 / Green Fluorescence Protein(GFP) / カルシウムイメージング / Visual Response / in vivo |
Research Abstract |
今年度は、申請前にセットアップを行いました、麻酔下で野生型マウス大脳皮質一次視覚野2/3層のニューロン群のIn Vivo two-photon励起法カルシウムイメージングメソッドを抑制性ニューロンにだけ緑色蛍光たんぱく質を発現する遺伝子改変マウス:GAD67-GFP(Δneo)マウスに応用することに成功しました。 これによりマウス大脳第一次視覚野の興奮性ニューロンと抑制性ニューロンとアストログリア細胞を三種類染色し、同時にそれらの活動をモニターすることが可能となりました。 実際にこの方法を用いて麻酔下のマウスに対して特定の方位(傾き)を持った視覚刺激を適用し、マウス第一次視覚野2/3層ニューロンの活動記録を行いましたところ、マウス第一次視覚野2/3層のニューロン群の中で、興奮性ニューロン群は、強い方位(傾き)選択性反応を示したのに対し、抑制性ニューロン群では、光刺激に対して反応は持つことはわかりましたが、特定の方位(傾き)に有意な反応性を示すわけで無く、どの方位(傾き)に対しても一様に反応性を示すことがわかりました。 これによって、網膜〜外側膝状体〜第一次視覚野4層を経由して入力されてくる情報に対して、マウス大脳皮質第一次視覚野2/3層において、抑制性ニューロンが神経回路全体に対して抑制をかけることによって、興奮性ニューロンの方位(傾き)選択性をよりその特異的な方位(傾き)に対して反応するよう促進しているのではないか、つまり、氷山を沈めるように、興奮性細胞の反応性を全体的に抑えることによって、その選択性を発現させているのではないかということが考えられました。
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