2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18700334
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
菅生 康子 独立行政法人産業技術総合研究所, 脳神経情報研究部門, 研究員 (40357257)
|
Keywords | 実験系心理学 / 脳・神経 / 神経科学 |
Research Abstract |
本研究では、大脳皮質の神経回路網の構造とそれが機能するメカニズムを明らかにすることにある。そのため、既存の研究による知識の蓄積がある、視覚系の情報処理に関わる神経回路網を解明する。視覚情報は網膜に点のように敷きつめられた視細胞にとらえられ、点の情報として分解される。その後、外側膝状体を経て大脳皮質の視覚1次野へと伝えられる。大脳皮質で処理されるにしたがって、ニューロンが応答する視覚刺激も、線あるいは輪郭やエッジなど、点を統合した形になってくる。そして側頭葉の下側頭皮質では、ニューロンがさらに複雑な図形に応答することが知られており、形態知覚の最終段階の情報処理が行われるとされてきた。近年、応募者らは、顔を視覚刺激とした実験で、サル側頭葉の単一ニューロンがまずヒトかサルかという情報を処理し、それから個体や表情の違いについての情報を処理していることを明らかにした。さらに、最近応募者ら独自の理論的研究により、この時間的なダイナミクスを持った階層的な情報処理を可能にする神経回路をモデル化した。本年度は、この独自のモデルの妥当性を神経科学的研究によって検証するための準備を行った。霊長類の側頭葉でニューロン活動を記録するため、実験セットアップを完成させ、注視課題を用いてサルを訓練した。ニューロン活動記録のために外科的手術を行った。また、ニューロン活動の解析については手法を改良し、クラスタリングと次元圧縮を同時に実行するアルゴリズムを開発し、国内外の学会で発表した。
|
Research Products
(1 results)