2006 Fiscal Year Annual Research Report
脂質性二次伝達物質ジアシルグリセロール代謝酵素の神経細胞内微細局在および機能解析
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18700337
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
八月朔日 泰和 山形大学, 医学部, 助手 (00372334)
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Keywords | ジアシルグリセロールキナーゼ / 免疫組織化学染色 / 特異抗体 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 蛍光多重染色法 / ポストシナプス / 免疫電子顕微鏡法 / 細胞膜 |
Research Abstract |
平成18年度はDGKβの機能解析を行なうため、確立したDGKβに対する特異抗体を用い、線条体および海馬の組織切片において、共焦点レーザー顕微鏡下に蛍光多重染色法を施行し、DGKβの神経細胞内局在および発現細胞の同定を行なった。さらに免疫電子顕微鏡法により、DGKβの神経細胞内小器官への局在を解明した。 1 共焦点レーザー顕微鏡による解析;(1)線条体:DGKBはドーパミンD1受容体およびD2受容体陽性の投射ニューロン両者に局在していた。さらに、線条体投射ニューロンの軸索が投射する淡着球にDGKβ免疫反応が認められなかったことから、DGKβは線条体投射ニューロンの樹状突起に局在し、軸索には局在していないことが推察された。一方、インターニユーロンにはDGKβ免疫反応がほとんど確認されなかった。DGKβ免疫反応はシナプトフィジンの免疫反応と重ならず、PSD-95の蛍光反応とは一部重なることから、DGKβはポストシナプスにのみ局在することが明らかとなった。(2)海馬:DGKβ免疫反応はGAD陰性細胞に認められたことから、DGKβが錐体細胞に局在することが示された。 2 免疫電子顕微鏡法による解析;包埋前DAB免疫電子顕微鏡法により、DGKβ免疫反応は線条体投射ニューロン樹状突起および棘突起に検出された。プレシナプス終末には反応を認めなかった。更に包埋前金コロイド銀増感免疫電子顕微鏡法にて、DGKβが線条体投射ニューロン樹状突起および棘突起の細胞膜に局在することが確認された。さらに、シナプス後膜肥厚内部におけるDGKβの局在の可能性を検討するため、包埋後金コロイド免疫電子顕微鏡法を行なった。その結果、棘突起においてDGKβはシナプス後膜肥厚内部には局在せず、シナプス後膜肥厚辺縁領域に高い頻度で局在することが明らかとなった。
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