2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経前駆細胞のエレベーター運動における微小管プラス端集積因子の役割
Project/Area Number |
18700340
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
落合 和 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助手 (40381008)
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Keywords | 神経前駆細胞 / エレベーター運動 / 微小管 / 細胞周期 / ニューロン |
Research Abstract |
神経前駆細胞の細胞周期依存的な核移動(エレベーター運動)のメカニズムの一端を解明するために、微小管の先端に集積するタンパク質(+TIPs)の挙動をスライス培養系でライブ観察を行った。 +TIPsが蛍光タンパク質とともに発現するベクターを生体マウスの胎生13日のマウス脳室にインジェクションし子宮内エレクトロポレーション法により、神経前駆細胞の+TIPsラベリングを行い、翌日まで生体内で遺伝子発現を待ち、脳スライスを作製後、神経前駆細胞のエレベーター運動の可視化を行っていたが、当初から想定していたようにエレクトロポレーションでは蛍光タンパク質が一ヶ所に集中して発現してしまい(散発性がない)、隣接する細胞の蛍光の光りが干渉し、一個の神経前駆細胞の+TIPsの動きを捉えることは難しいことがわかった。神経前駆細胞の散発的なラベリングは、スライス培養におけるライブ観察において非常に重要であるために、ウィルスベクターによる散発的なラベリングを行なう予定であったが、以下の方法を用いることにした。 申請者は、ポリエチレンイミンを用いたトランスフェクション法を応用し、神経前駆細胞の一個一個の+TIPsの細胞ラベリング(散発的なラベリング)が可能となる画期的な方法を見出した。ポリエチレンイミンは、非常に安価であり、ウィルスベクターのような散発的なラベリング可能でありながらウィルス使用に伴う煩雑な取り扱いはいっさい必要としない点で非常に有用であることがわかった。 一個の+TIPsの細胞ラベリング(散発的なラベリング)が可能となる画期的な方法を見出した。ポリエチレンイミンは、非常に安価であり、ウィルスベクターのような散発的なラベリング可能でありながらウィルス使用に伴う煩雑な取り扱いはいっさい必要としない点で非常に有用であることがわかった。 現在、この手法により神経前駆細胞の散発的なラベリングを行い、神経前駆細胞のエレベーター運動におけるG1期からS期の細胞の微小管の動きをスライス培養条件下で観察を行なうことができている。現在、その他の細胞周期においても解析を試みている。
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Research Products
(1 results)