2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規ウイルスベクターによる視床・大脳新皮質局所神経回路の定量的解析
Project/Area Number |
18700341
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
日置 寛之 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (00402850)
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Keywords | レンチウイルス / プロモーター / 神経細胞 / 遺伝子導入 / 特異性 / 発現量 / 定量化 / GFP |
Research Abstract |
本研究の最終目的は、局所神経回路網の解析に有用な新規ウイルスベクターを開発し、その後成体ラットを用いて視床・大脳新皮質局所神経回路の定量的解析を目指すものである。ウイルスベクターにはHIV-1由来のレンチウイルスを用い、逆行性経シナプストレーサーであるtetanus toxin c fragment(TTC)や順行性経シナプストレーサーである(WGA)を発現させる事で目的を達成する予定である。その為には神経細胞で特異的に働くプロモーターの開発が必須であるが、2007年は、レンチウイルスベクターで神経細胞特異的かつ高発現を可能にするプロモーターの開発を行い、国際学術誌にその成果を発表した(Hioki, et. al.,2007)。改変型プロモーターでは従来のプロモーターに比し、2〜4倍程度神経細胞での特異的発現が向上し、現在までに50件を超える問い合わせ・分与依頼があり、その有用性が他の研究者によっても認知されている。 そこで申請者は、この改変型プロモーターを用い、上記経シナプストレーサータンパク(TTCもしくはWGA)を発現するウイルスベクターを作成し、成体ラット脳でその特性に関して詳細な解析を行った。ウイルス液を脳内に注入後、生存期間を1週間から2ケ月に渡ってトレーサータンパクの発現、そして経シナプス標識を検討したが、改変型プロモーターを用いた場合でも、トレーサータンパクの発現量が不足しているとの結論に至った。レンチウイルスは他のウイルスベクターに比し(AAVやAdenovirus)、目的タンパクの発現量が低い事が既に報告されている。次年度からは、さらに高発現を可能にするプロモーターの開発を行い、レンチウイルスにて検証を進めていく予定である。
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Research Products
(8 results)