2006 Fiscal Year Annual Research Report
自己受容体とSNARE蛋白質群との直接相互作用による開口放出抑制機構の解明
Project/Area Number |
18700356
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
倉増 敦朗 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90302091)
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Keywords | ヒスタミンH3受容体 / CLIC4 / G蛋白質共役受容体 / カルボキシ末端 / 自己受容体 / SNARE蛋白質 |
Research Abstract |
1.ヒスタミンH3受容体(H3R)の細胞内カルボキシ(C)末端領域に結合する蛋白質の同定 まず、結合蛋白質精製のためのアフィニティカラムを作製した。GST及びGSTとH3R・C末端の融合蛋白質を大腸菌で発現させ、グルタチオン・セファロースビーズのカラムに結合させてアフィニティカラムとした。ラット脳ホモジネートを0.5%Triron X-100存在下で可溶化したものを、まず、GSTのカラムに通し、その通過部分をGST-H3R・C末端のカラムに通した。それぞれのカラムをよく洗浄した後、結合蛋白質を溶出し、SDS-PAGEで分離した。GSTカラム結合蛋白質群に無く、GST-H3R・C末端カラム結合蛋白質群に存在するバンドを切り出し、ペプチドマスフィンガープリント(PMF)法により蛋白質を同定した。その結果、Munc-18、シナプトタグミン、CaMキナーゼII・αサブユニット、βアクチン、βチューブリンが同定された。また、PMF法では確認できなかったが、ウェスタンブロットによりシンタキシン、SNAP25、VAMP-2等のSNARE蛋白質群もGST-H3R・C末端カラム結合蛋白質群中に存在することがわかった。 2.同定された蛋白質群とH3R・C末端との結合の確認 1)in vitro結合実験 ラット・シンタキシンの細胞質領域(1-265)、ラット・SNAP25(全長)、ラット・VAMP-2細胞質領域(1-92)、ラット・Munc-18(全長)、ラット・シナプトタグミン細胞質領域(80-421)、ラット・CaMキナーゼαサブユニット(全長)をFLAGタグあるいは、マルトース結合蛋白質(MBP)に融合して大腸菌で発現させた。これらとGST-H3R・C末端をin vitroで反応させ、グルタチオンビーズにてプルダウンし、結合の有無を抗FLAGあるいは抗MBP抗体を用いたウェスタンブロットで調べた。これらの内、シンタキシンおよびCaMキナーゼIIαサブユニットは、H3R・C末端と強く結合した。また、SNAP25やMunc-18とも結合が確認された。また、シンタキシンを欠失させて、同様の実験を行い、H3Rとシンタキシンの結合が、シンタキシンのSNAREドメインを介することがわかった。 2)in vivo相互作用解析 ラット脳におけるH3RとC末端結合蛋白質群との結合を免疫沈降法により調べた。ラット脳ホモジネートを抗H3R抗体で免疫沈降した沈降物を、種々の抗体を用いてウェスタンブロットで解析した。その結果、ラット脳において、シンタキシン、SNAP25、VAMP、CaMキナーゼ、シナプトタグミン、Munc-18がH3Rと複合体を形成していることが示唆された。 以上の結果から、これらのH3R・C末端結合蛋白質は、一部ではin vitroで直接結合し、in vivoでも相互作用があることがわかった。
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Research Products
(1 results)