2007 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症脆弱性因子DISC1の結合蛋白質の同定と機能解析
Project/Area Number |
18700363
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田谷 真一郎 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 講師 (60362232)
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Keywords | 統合失調症 / 脳神経疾患 / 脳・神経 / 神経科学 |
Research Abstract |
統合失調症は世界人口の約1%で発病がみられる重篤な精神障害である。統合失調症の発症原因は未だ明らかにされていないが、中枢神経系の発達障害が発症原因の一つであると考えられている。本研究では、統合失調症脆弱性因子DISC1とその結合蛋白質の生理機能を明らかにすることにより、統合失調症発症の分子メカニズムを理解することを目的とする。 (1)DISC1結合蛋白質の機能解析:DISC1結合蛋白質としてPurαやSyncripに代表されるmRNP複合体構成蛋白質を多数同定している。シナプス可塑性発現に必要とされる蛋白質のmRNAが、mRNP複合体を介してポストシナプス領域に輸送され、局所的に蛋白質合成されると考えられている。また、mRNP複合体はmRNAを介して結合している分子が多い。H19年度は、DISC1がmRNP複合体蛋白質の中で、Syncripと直接結合することを明らかにした。(2)14-3-3εのノックアウトマウスとDISC1のノックアウトマウスの解析:DISC1のノックアウトマウスは作製継続中である。14-3-3εのノックアウトマウスに関しては、認知機能を含む行動解析を行い、統合失調症様の認知機能障害および行動障害の有無を検討した。その結果、統合失調症に関連する異常が認められるという結果を得た。(3)統合失調症発症脆弱性因子結合蛋白質の遺伝学的解析:遺伝学的解析を行う前に、DISC1結合蛋白質をもう一度、網羅的に解析した。アフィニティーカラムクロマトグラフィー法とLc-MS/MSの質量分析による解析の結果、多数のDISC1結合分子の同定に成功した。 以上の結果から、平成19年度の研究計画はほぼ達成されたものと考えられる。
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[Journal Article] Evidence that many of the DISC1 isoforms in C57BL/6J mice are also expressed in 129S6/SvEv mice.2007
Author(s)
Ishizuka K, Chen J, Taya S, Li W, Millar JK, Xu Y, Clapcote SJ, Hookway C, Morita M, Kamiya A, Tomoda T, Lipska BK, Roder JC, Pletnikov M, Porteous D, Silva AJ, Cannon D, Kaibuchi K, Brandon J, Weinberger DR, Sawa A.
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Journal Title
Molecular Psychiatry 10
Pages: 897-899
Peer Reviewed
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