2006 Fiscal Year Annual Research Report
シンタキシン ノックアウトマウスを用いた行動的解析
Project/Area Number |
18700368
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
藤原 智徳 杏林大学, 医学部, 講師 (90255399)
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Keywords | シンタキシン / 開口放出 / ノックアウトマウス / 異常行動 |
Research Abstract |
昨年度までの研究に引き続き、シンタキシン1Aノックアウトマウスの表現型の解析を行った。その結果、このマウスは自閉症様の行動障害を示すことが明らかになった。この行動障害はホモミュータントのみならず、ヘテロミュータントでも認められた。非常に興味深いことに、ヘテロでの行動障害の程度はホモで見られる障害よりも軽度であり、シンタキシン1Aの遺伝子発現量に応じて行動障害が現れる可能性が示唆された。現在、この解析結果をまとめ、論文に投稿する準備を行っているところである。 また、シンタキシン1Aノックアウトマウスを用いた共同研究で、一部の小胞の分泌に障害があることが明らかになった。 本年度は、JAXよりSNAP-25のノックアウトマウスを購入した。このマウスを用いた行動学的解析を行うために、B6Jに戻し交配を行った。総計で6〜8代にわたり戻し交配をしたにもかかわらず、得られたマウスのほとんどの毛色は茶であった。毛色が黒のものも数匹得られたが、成熟前に死亡したり、成熟しても不妊であったりしたため行動解析は行えなかった。現在、毛色が黒のマウスが得られない原因を明らかにするために、異なる遺伝的背景によりSNAP-25のノックアウトによる表現型が異なるか発生学的手法を用いて詳細な検討を行っている。 また、もう一つの本研究目的のシンタキシン1Bノックアウトマウスの作成は、これまでのところ目的とするES細胞が得られていない。そのため、現在新しくベクターを作り直し、来年度以降で再度マウスの作成を試みるつもりである。
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Research Products
(2 results)