2006 Fiscal Year Annual Research Report
サル下部側頭葉の対連合記憶セルアセンブリ:多細胞同時記録とスパイク相関による検証
Project/Area Number |
18700378
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平林 敏行 東京大学, 大学院医学系研究科, 助手 (60376423)
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Keywords | 細胞外電位記録 / 脳高次機能 / 対連合記憶 / 下部側頭葉 / 霊長類 |
Research Abstract |
本研究は、対連合記憶課題を遂行中のマカクザル下部側頭葉において、多細胞同時記録を行い、同課題の遂行に関わる高次大脳皮質局所回路の機能を明らかにすることを月的としている。今年度は以下の要領で研究を行った。 1.対連合記憶課題のトレーニング、及び課題関連活動を示す神経細胞の存在領域の同定 1頭のマカクザルに対して、対連合記憶課題を学習させ、固視訓練の後、固視条件下にて課題が遂行できるようにした。これらの訓練の後、同課題遂行中の下部側頭葉36野及びTE野において単一神経細胞の細胞外電位記録を行い、課題関連活動を示す神経細胞が多く存在する領域を同定した。今後は、この結果に基づき、その領域において複数の神経細胞からの同時記録を行うと共に、2頭目のサルの訓練を開始する。 2.スパイク分離アルゴリズムの最適化とその応用 本研究では、隣接する複数の神経細胞から同時記録を行い、相互相関解析により、神経細胞間の機能的結合を明らかにする。この方法で機能的結合を正確に同定するためには、スパイク分離アルゴリズムの最適化が不可欠である。本年度は、過去の実験データ(Hirabayashi and Miyashita, J.Neurosci,2005.)に複数のスパイク分離アルゴリズムを適用することにより、その最適化を行った。その結果、上記文献では得られなかった、より正確な機能的結合の同定および識別が可能となり、その性質を詳細に調べることができるようになった.この結果に基づき、現在投稿論文を作成中である。今後は、本研究のデータにこれらのアルゴリズムを適用し、詳細な機能的結合の同定とその性質の解析を行う。
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