2007 Fiscal Year Annual Research Report
サル下部側頭葉の対連合記憶セルアセンブリ:多細胞同時記録とスパイク相関による検証
Project/Area Number |
18700378
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平林 敏行 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 助教 (60376423)
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Keywords | 細胞外電位記録 / 脳高次機能 / 対連合記憶 / 下部側頭葉 / 霊長類 |
Research Abstract |
本研究は、対連合記憶課題を遂行中のマカクザル下部側頭葉において、多細胞同時記録を行い、同課題の遂行に関わる高次大脳皮質局所回路の機能を明らかにすることを目的としている。今年度は以下の要領で研究を行った。 ・対連合記憶課題に関連した活動を示す下部側頭葉神経細胞間の機能的結合の同定 昨年度までに、一頭のマカクザルについて、固視条件下にて対連合記憶課題が遂行できるように訓練し、下部側頭葉36野及びTE野において単一神経細胞の活動を記録し、同課題に関連した活動を示す神経細胞の密集領域を同定した。本年度は、それらの領域に、互いに近接した複数の電極を刺入し、多チャンネル増幅器を用いて、同課題に関連した活動を示す2〜8個の神経細胞から同時記録を行った。記録後、スパイク単離アルゴリズムにより、記録された神経活動を複数の単一神経細胞の活動に分離し、相関発火解析により、それらの神経細胞間の機能的結合を調べた。その結果、同課題に関連した様々な活動パターンを示す複数の神経細胞間で機能的結合が確認された。また、二頭目のサルについても同様の課題の訓練を行い、固視条件下にて同課題が遂行できるようにした。今後は、個々の神経細胞の活動パターンと、それらの神経細胞間の機能的結合との間の規則性及びそのダイナミクスについて、より詳細な解析を行う。また、二頭目についても、下部側頭葉において課題に関連した活動を示す神経細胞の密集領域を同定した後、上記の同時記録を行い、一頭目で得られた機能的結合の性質について、再現性があることを確認する。
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