2008 Fiscal Year Annual Research Report
ケージド化合物を用いた神経細胞情報伝達システムのリアルタイム定量解析
Project/Area Number |
18700382
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹内 裕子 Osaka University, 生命機能研究科, 助教 (10324823)
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Keywords | 電気生理学 / パッチクランプ法 / 嗅覚神経細胞 / ケージド化合物 / コンフォーカル顕微鏡 / 蛍光物質 |
Research Abstract |
今年度の研究では、前年度に構築したナノスケール構造体の可視化・局所刺激を目的として実験を進めた。モデル細胞として用いた嗅覚神経細胞にはあらかじめ、蛍光物質と共にケージド化合物を導入させておき、ホールセルパッチクランプ法を適用すると同時に、蛍光物質による形態確認とシリアにおいてナノスケールの範囲でUV照射を行うことで、局所的な部位のケージド物質の解離に伴い、チャネルの開口へと引き続き、最終的には電流発生・実時間記録・解析を行う実験が可能であった。使用した本システムは、レーザーコンフォーカル顕微鏡とパッチクランプ装置を組み合わせ、生体内で起こる化学反応や物理応答の即時応答性を見ることができるという大きなメリットがある。更に、細胞内物質を光で制御する手法を取ったため、物理量での刺激が可能となり、従来使用されてきた化学物質による刺激よりもより定量的な解析が可能となった。このシステムを利用し、嗅細胞シリア上に発現している情報変換チャネルの局在を更に詳細に調査した。記録電極よりケージドcAMPもしくはCaを細胞内に導入した後、ボルテージクランプモード下で、UV光刺激を行った際に得られた膜電流を記録することにより、チャネル分布を知ることができた。その結果、シリア上に発現している情報変換チャネル(CNGチャネル・Cl(Caチャネル))が一様に分布していることが明らかとなった。本年度は生きている細胞で微小構造体をリアルタイムに観察した上で、局所的なUV刺激により、ケージドCaを誘起させたことによる、Cl(Ca)チャネルの分布を明らかにした。本結果は、国際学会3件、国内学会2件において発表済みである(次ページの学会発表リストを参照のこと)。
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Research Products
(13 results)