2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18700398
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
横井 伯英 Kobe University, 大学院・医学研究科, 科学技術研究員 (70311610)
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Keywords | 糖尿病 / 遺伝子 / 遺伝学 / 炎症 / 線維化 |
Research Abstract |
本研究は非肥満性糖尿病の新たな動物モデルであるSpontaneously Diabetic Torii(SDT)ラットにおける糖尿病の原因遺伝子を同定することを目標としている。今年度は下記の項目について研究を実施した。 1. 耐糖能関連遺伝子座についてのコンジェニック系統の表現型解析 ラット第1および第2染色体上に存在する耐糖能関連遺伝子座(Gisdt1, 2)の病態生理的役割を解明するため、SDTラットの遺伝的背景にBNラット由来の各耐糖能関連遺伝子座を組み込んだコンジェニック系統、およびBNラットの遺伝的背景にSDTラット由来の各耐糖能関連遺伝子座を組み込んだコンジェニック系統を作出し、糖尿病の発症や耐糖能について表現型解析を行った。その結果、親系統のSDTやBNラットと比較してコンジェニック系統は糖尿病の発症、インスリン分泌や耐糖能などに相違が認められたことから、各耐糖能関連遺伝子座の病態生理的役割の一端が明らかになった。 2. 膵臓の炎症・線維化を引き起こす主要遺伝子座の同定とコンジェニック系統による確認 F344ラットとSDTラットの交配から作出したF2仔を用いて糖尿病発症および耐糖能について遺伝解析を行い、ラット第3染色体に優性で作用する主要な遺伝子座を同定した。この遺伝子座についてF344ラットを遺伝的背景とするコンジェニックおよびコンソミック系統を作出したところ、膵臓に炎症・線維化が認められた。このことから、本遺伝子座はSDTラットの主病変である膵臓の炎症・線維化を引き起こす主要遺伝子座であると考えられた。
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Research Products
(3 results)