2006 Fiscal Year Annual Research Report
GVH病の発症におけるCD28ファミリー分子の機能的役割の解析
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18700400
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小川 修平 東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (20385553)
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Keywords | 補助シグナル / CD28 / ICOS / GVH病 / T細胞 / トランスジェニックマウス / Grb2ファミリー分子 / PI3キナーゼ |
Research Abstract |
GVH病の発症におけるCD4^+T細胞及びCD8^+T細胞上に発現するCD28及びICOS補助シグナルの機能的役割の解析 野生型マウス及びCD28KOマウスよりそれぞれCD4^+T細胞とCD8^+T細胞を高純度に精製し、様々な組み合わせで混合しこれをドナー細胞として急性のGVH病の動物モデルを誘導した。その結果、野生型マウスのCD4^+T細胞とCD8^+T細胞を混合したものをドナーとした実験群では急性のGVH病が誘導され、強いインタフェーロンガンマ産生が誘導されると共にホスト細胞に対する傷害活性も誘導された。一方、CD4^+T細胞あるいはCD8^+T細胞のどちらか片方がCD28KOマウス由来の細胞であった場合、CD28KOマウス由来の細胞は活性化が弱く急性のGVH病は誘導されなかった。以上の結果から、急性のGVH病の誘導にはCD4^+T細胞とCD8^+T細胞の両方が十分に活性化できる状態であることが必要であり、その活性化にはCD28を介する補助シグナルが必須であることが明らかとなった。ICOSの機能に関しては今後ICOSKOを用いて解析する予定である。 変異CD28あるいは変異ICOSを発現するトランスジェニックマウスの作製 CD28の細胞内領域にはYMNMモチーフが存在し、チロシンのリン酸化依存的にPI3K及びGrb2ファミリー分子(Grb2、Gads)が結合する。また、C末端側にはPXXPモチーフが二カ所存在し、Itk、Lckが結合する。これら結合モチーフにPI3KやGrb2、Lck、Itkとの結合に障害が生じると予想される点変異を入れた変異CD28を発現するTgマウスを作製した。 一方、ICOSの細胞内領域にはCD28のYMNMモチーフに相当する部分にYMFMモチーフが存在し、チロシンのリン酸化依存的にPI3Kが結合するがGrb2ファミリー分子は結合しない。また、PXXPモチーフはICOSには存在しない。PI3Kの結合のない点変異遺伝子あるいは細胞内領域を欠失した変異遺伝子、及びICOSの細胞内領域の一部または全てをCD28の細胞内領域と入れ換えたキメラ遺伝子を作製し、変異CD28Tgマウスと同様の方法でTgマウスを作製した。
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